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高校・大学と野球部に所属せず。
異色経歴の独立リーガーがNPBを目指す (3ページ目)

  • 大友良行●文 text by Ohtomo Yoshiyuki
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 インステップするフォームを強制的に変え、上から投げるようにしたのですが、もともと体の使い方が合っていなくて、スピードが落ち、コントロールまで悪くなってしまった。このオフから元のフォームに戻し、定着させるつもりです」

 杉浦について、鈴木監督はこう見ている。

「いろいろ考えてやっているようです。杉浦は投げるたびに成長しています。今年は中継ぎが多かったですが、先発もさせました。まだまだ勉強中ですが、来年は中心選手として働いてもらいます。アドバイスは、とにかく『走れ』ということだけです」

 オフの過ごし方について、杉浦は次のように語る。

「ウエイトを多めにして、体重を今の81キロから90キロまで増やしたい。練習も地元のグラウンドでトレーニングして、時々、乾コーチに見てもらうつもりです。オフの間は給料が出ないので、運輸会社の配送センターでバイトするつもりです。重い荷物を運ぶので、結構なトレーニングになるんです」

イチロー世代の三冠王が独立リーグ指導者として伝えたいこと>>

 休学していた大学も9月から復学した。

「NPBに入ったら大学には行けそうもないし、今はコロナ禍でオンライン授業なので、時間を見つけて受講できます。単位も取れそうですし......」

 チームメイトだった根本については、こう感謝の気持ちを述べた。

「自分と同じラケットを手に動き回っていた方なので、阿吽の呼吸とでも言うのでしょうか、気持ちは伝わりやすかったです。ブルペンでもたくさん受けてもらいましたし、試合でも2度ほどバッテリーを組ませてもらいました。頼もしい存在でした」

 お互い置かれている状況は違うが、来年が勝負の1年になることは間違いない。高校、大学と野球部に所属していなかったふたりがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。興味は尽きない。

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