山本昌が絶賛する夏の甲子園出場
10投手。将来性と課題をリアル解説 (10ページ目)
最速147キロを誇る仙台育英のスーパー1年生・笹倉世凪笹倉世凪(ささくら・せな/仙台育英1年/176cm76kg/左投左打)
率直に「1年生でこれだけ投げられるのか......」とビックリしました。あらためて中学・高校野球のレベルが上がっていることを実感します。笹倉くんは、技術以前にまるで3年生がマウンドに立っているような落ち着きが印象的でした。体の向きもホーム方向にきれいに真っすぐ入っていけるし、余分な動きもありません。力だけでなく、投手としてのセンスも感じます。現時点で140キロを超えますが、今後2年間でスピードも10キロくらい上がるでしょうし楽しみです。
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今年は佐々木朗希くん(大船渡)もいますが、同じ年に奥川くんと合わせて2人も逸材がいるのは奇跡としか言いようがありません。まるで田中将大投手(ヤンキース)と大谷翔平投手(エンゼルス)が同時にドラフト会議を待っているようなものでしょう。佐々木くんには大谷投手のようなスケール感、奥川くんには田中投手のような勝てる能力を感じます。
また、球数制限の議論が活発になっていますが、私見を言わせていただくと、まずは低反発の金属バットを導入した方がいいと感じます。今は金属バットの性能が向上しており、打撃のレベルが昔とは比較になりません。投手は常に全力で投げざるをえず、故障の一因になっているはずです。木製バットに近い打感の金属バットを使えば打者の技術は上がり、投手の負担も軽減されるはずです。
高校生は短期間で急激に成長します。そのことを、私は母校の日大藤沢(今夏の神奈川大会準優勝)で臨時コーチを務めたことで実感しました。今年の高校生は「不作」と言われているそうですが、これから急成長を見せる選手もいるに違いありません。甲子園に出ていない投手を含め、これから野球界を盛り上げてくれる人材の出現を心から願っています。
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