2019.08.12

高岡商が「超公立校」へ進化。
昨年の大阪桐蔭戦で学び大きく変わった

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 昨夏の甲子園で、最速148キロ左腕の山田龍聖(現・JR東日本)を擁し、3回戦に進出した高岡商(富山)。今年も、昨年からのメンバーである森田朝陽(あさひ)、井林泰雅、石黒優希、堀裕貴らが中心となり、富山大会では3試合でコールド勝ちするなど貫禄を見せつけ、3年連続出場を果たした。

石見智翠館戦でホームランを含む3安打4打点と活躍した高岡商の森田朝陽 甲子園初戦となった石見智翠館(島根)との試合では、2点リードの9回裏に同点に追いつかれ延長にもつれ込むも、直後の10回表に2点を奪って試合を決めた。森田は、この試合でホームランを含む3安打4打点を放ち、堂々と「日本一」を公言するチームに勢いをもたらした。

 近年の高岡商といえば、勝っても負けても印象に残る試合が多かった。

 吉田真監督がチームを率いて初めての甲子園となった2015年夏は、オコエ瑠偉(現・楽天)を擁する関東一高(東東京)を相手に3回まで0対8と大量リードされた状況から同点に追いつき、結果的に10対12で敗れはしたが、大熱戦を演じた。

 2017年春も、初戦で盛岡大付と対戦して延長戦の末に9対10と惜敗。

 この高岡商に勝利した2チームは勢いに乗り、関東一高はベスト4、盛岡大付はベスト8進出を果たした。

 そして昨年夏は、3回戦で大阪桐蔭と対戦。藤原恭大(現・ロッテ)、根尾昂(現・中日)といったドラフト1位の強打者を擁し、春夏連覇を達成した王者に対して1対3で敗れたが、山田が11奪三振の好投を見せるなど大善戦。そしてこの試合の経験が、現チームに大きな影響を及ぼした。

 捕手として山田をリードした石黒優希は言う。

「大阪桐蔭の選手は、1球ごとに声を出し合っていました。全員が監督みたいな感じで。あれを間近で体験し、自分たちもそこに少しでも近づこうとやってきました。結果的に、1球に対する執着心や集中力が格段に高まった気がします」