山﨑武司が厳選したセンバツの強打者9人。
なかでも絶賛した選手は?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 岡沢克郎、大友良行●写真photo by Okazawa Katsuro,Ohtomo Yoshiyuki

 東邦の史上最多となる5度目の優勝で幕を閉じた選抜高校野球大会(センバツ)。石川昂弥(東邦)らセンバツに出場した強打者の力量を、野球評論家の山﨑武司氏が徹底分析する。

 山﨑氏にはただ長所を挙げてもらうだけでなく、各打者がさらに高いレベルで通用するための課題を指摘してもらった。プロ通算403本塁打を放ったホームランアーチストが認めた打者はいるのか?

センバツで3本のホームランを放った東邦の石川昂弥センバツで3本のホームランを放った東邦の石川昂弥石川昂弥(東邦/185cm・87kg/右投右打/投手・三塁手)

 僕は同じ愛知の愛工大名電出身ですが、伝統的に守備のイメージが強かった東邦にこれだけの強打者が出現するのは珍しいですね。エースとしてセンバツ優勝に導いたとはいえ、彼はバッターだよなぁ......という印象です。クセのない、バランスのいいスイング。高校生としては順調に仕上がっています。体も大きいし、甲子園で打った3本のホームランはどれもよく飛んでいた。ただ、気になるのはスイングの強さをまだ感じないことです。今は体格のよさとバットコントロールで飛ばしているように見えるけど、体の芯に本当の意味での力があるかどうか。これから筋力を上げていけば、もっと強く振れるようになるはずです。とはいえ、十分ドラフト上位指名候補になる逸材でしょう。

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