2019.03.30

ズバリ中高一貫校が甲子園のトレンド。
6年スパンの強化策が実を結ぶ

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 今春の選抜高校野球大会(センバツ)には、あるトレンドがあった。それは「中高一貫校」が数多く出場していたことだ。

 中高一貫校とは、中学から高校まで6年間のスパンで教育するシステムの学校のこと。今大会に出場した中高一貫校のなかで強化策が顕著だったのは、札幌大谷(北海道)、星稜(石川)、大分高(大分)、明豊(大分)、日章学園(宮崎)である。初戦の先発メンバーを見ると、系列中学からの出身者は札幌大谷が6人、星稜が5人、大分高が7人、明豊が3人、日章学園が6人。

昨年秋の北海道大会、神宮大会を制し、センバツ初出場を飾った札幌大谷ナイン 札幌大谷中と大分中は軟式野球部ではなく、リトルシニア連盟に所属する中学硬式野球部。2016年にそれぞれシニアの全国大会に春夏連続出場している。

 星稜中と日章学園中は、2016年夏に横浜スタジアムで開催される全日本少年軟式野球大会に出場しており、星稜中は優勝、日章学園はベスト8まで勝ち上がっている。明豊中は2017年夏の同大会でベスト8進出。つまり、甲子園に出場した球児の多くは中学でも結果を残していたメンバーだったのだ。

 中高一貫校のメリットとは何か。大分高の主将を務める足立駿はこう証言する。

「守備の連係はすごく取れていると思います。中学から高校まで継続できるので、完成度が高められます。コミュニケーション、アイコンタクトは他のチームより取れていると思います」

 大分高はセカンドを守る足立など、バッテリーを含めた内野6人全員が大分中シニアの出身者だ。松山聖陵(愛媛)とのセンバツ初戦では、大分高は鍛え抜かれた好守備を随所に見せ、4対1と守り勝った。

 とはいえ、大分高が中高6年間のスパンで強化に乗り出したのは、5年前と歴史は浅い。それまでは中学と高校の間に太い連携はなく、足立も大分中に入学した当初は「中学と高校がつながっていることすら知りませんでした」と語る。変革は2014年に同校に赴任した野田健二コーチの提案から始まった。

「せっかく同じ敷地で活動しているのですから、お互いにもっと入り込んでもいいのでは? と思って、いろいろと規定を調べたんです」