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筒香の喝!に続け。都立高校が
野球人口減少STOPヘ異例の取り組み

  • 村山博●文・写真 photo by Murayama Hiroshi

 現在、日本の野球人口は減少の一途をたどっている。日本中学校体育連盟(東京)の調査によると、中学校軟式野球部の部員数(男子)は、2009年度「307053人」だったのに対して、2018年度は「166800人」にまで減少。さらにここ数年の減少率は急速に進んでいるという。

 この問題に声を上げるプロ野球選手も出てきている。これまでも野球界の改革を訴えてきた、DeNAの筒香嘉智が、今年1月に行なわれた記者会見で、子どもたちを取り巻く野球環境改善を提言した。

"勝利至上主義の弊害"や、"お茶当番"という親の負担が子どもを野球から遠ざけているのではないかとも指摘。とりわけ"勝利至上主義の弊害"は、筒香の一貫した考えだ。

石神井高校が開催した野球イベントには36人の小学生が参加した石神井高校が開催した野球イベントには36人の小学生が参加した 指導者が目先の勝利を求めすぎるあまり、子どもがプレッシャーを感じ、野球の楽しさを感じられなくなってしまっていると主張。その思いから、2017年に自身が設立した「チーム・アグレシーボ」で、野球未経験の未就学児童や小学校低学年の児童を中心に体験会を開催し、子どもたちに野球の楽しさを知ってもらおうと奔走している。

 この筒香の主張に対して、今季から米大リーグのシアトル・マリナーズに移籍した菊池雄星が「僕らが筒香に続かなきゃいけないと思う。他人事じゃいけない」と声を上げている。菊池も野球未体験児への遊び場を提供するシンポジウムを毎年のように開催。野球普及活動に力を注いでいる。

 また、昨年12月には、日本ハムの斎藤佑樹、巨人の重信慎之介らも参加した早大野球部OB会による、少年野球チームに所属していない小学生を対象としたイベントも行なわれた。指導よりも、子どもたちに野球を楽しんでもらうことに主眼が置かれていた。

 野球人口減少の危機的状況をみて動き出しているのは、プロ野球選手だけではない。子どもたちに野球の魅力を知ってもらおうと、都立高校野球部が動き出した。それが石神井高校野球部だ。

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