2019.02.15

スーパーキャッチで米野球殿堂入り。
伝説男が社会人で第3の野球人生

  • 高木遊●文・写真 text&photo by Takagi Yu

「今、外野でノックをしています」

 安達央貴(ひさたか)マネージャーに案内され外野に向かうと、58歳とは思えない若々しさで軽やかにノックを打つ”米野球殿堂入りの男”の姿があった。

 長らくコーチやスカウトとして携わったロッテを昨年限りで退団した山森雅文は、今年1月から社会人野球のJFE東日本にコーチとして入部した。

スカウト時代もランニングや筋トレを欠かさなかっただけに動きは軽やかだ 現役時代は阪急(1989年からオリックス)の好守の外野手として活躍。1981年9月16日に西宮球場で行なわれたロッテ戦で、フェンスを越えようかとする打球に対して金網のレフトフェンスをあっという間によじ登りスーパーキャッチを見せた。これはアメリカの野球殿堂博物館にも展示されるプレーとなり、日本人として初めての快挙だった。

 ユニフォームを着るのはロッテの二軍外野守備走塁コーチしていた2012年以来だが、月並みな言葉で言えば「よく似合う」。指導で見せる真剣な表情と休憩に入り選手に声をかける際のやかな表情のギャップに、長年の経験が深く滲む。

 ロッテで2011年と2012年、1990年代後半から2000年代前半にかけては日本ハムとオリックスでもコーチを務め、指導歴は計12年になるが、社会人の現場はとても新鮮だと言う。

「若手中心ではありますがみんな能力高く、素直で真面目な選手ばかりです」と頬を緩める。それと似た表情で監督・選手たちも”山森効果”を語る。

「新しい情報をいただいて選手もすごくイキイキとしていますし、コミュニケーションの取り方、人柄が素晴らしいです」(落合成紀監督)

「指導の引き出しがとても多い方です。走塁は盗塁だけでなく、二塁から本塁への走塁とか三塁からのゴロゴーとか細かくひとつずつ練習をするようになり、すごくレベルが高くなっていると思います」(鳥巣誉議)