「鉄人」という看板を掲げた職人。
グラブを全国に送る半端ない気持ち (4ページ目)
現在も多くの注文を抱え、多忙を極める村上だが、毎年一度は福岡へと足を運び、自身が初めて湯もみ型付けに触れた久保田スラッガー福岡支店を訪れるという。
「"自己流"に走らないように、毎年1回は必ず訪問させてもらっています。身も心もリセットして、型付けへの思いを新たにする。自分にとって不可欠な時間です」
その福岡は、奇しくもビジネスマン時代の初任地でもあった。自身にとっての"原点"と村上は語る。
「福岡は『2人の無力な自分』がいる場所なんです。大学卒業直後に社会の厳しさを味わった自分、スポーツ店を継いだものの、何の武器も持っていない自分。型付けを行なう者としても、社会人としても"初心"に帰ることのできる場所ですね」
"鉄人"であり続けるために。今年も福岡に足を運び、再スタートを切るつもりだ。
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