5人のプロスカウトに直撃。「根尾昂は投手か、野手か、二刀流か?」 (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そのスカウトは目をキラキラさせ、こう続けた。

「春に比べると、安心して見ていられるようになりました。センバツのときは、ただ打球に思いきり突っ込んでいって捕球しにいくなど、危なっかしい場面がありましたが、今はちょうどいいスピードで打球に向かっていき、ボールに衝突することがなくなった。きっといろいろ考えながら、いい練習をたくさん積んできたんでしょうね」

 別の内野手出身のスカウトの見解はこうだ。

「(選手として)悪くないと思います。ただ、ちょっと報道が過熱していて、実力以上の存在感になっている気がします。大阪桐蔭という学校と"根尾"という名前、さらにチームメイトに同じドラフト1位候補(藤原恭大)がいる。いい選手であることは間違いないのですが、実力以上に評価されているのかな......という印象を受けます」

 同じショートのポジションでは、ドラフト上位候補の小園海斗(報徳学園)もいる。

「根尾がもし、田中とか鈴木みたいな苗字で、普通の公立校にいたら、これだけ騒がれていたかどうか......。同じ高校生でショートなら、小園の方が上だと思っています。彼のスピードにはかなわない。ピッチャーとしても140キロ台後半が出るし、球質も悪くない。高校生としては一級品ですが、プロでチームのエースになるイメージが沸かないんです」

 このスカウトは、投手としても、野手としても、現時点での実力なら"2位"が妥当なところだと言う。

 今回、根尾を投手として推したのは、5人中1人だけ。そのスカウトも現役時代は内野手として鳴らした。

「まずはピッチャーでしょう。あれだけのボールを投げられる高校生なんてそうはいないし、打者に全力で向かっていける姿勢も素晴らしい」

 ならば野手としてはどうなのか。そう尋ねると、「ちょっと厳しいことを言うようだけど......」と前置きして、こう言った。

「今日のスーパープレーなんか、ほかのスカウトはみんな絶賛していませんか......?」

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