5人のプロスカウトに直撃。
「根尾昂は投手か、野手か、二刀流か?」

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 夏の甲子園100回大会の2日目、春夏連覇を狙う大阪桐蔭が作新学院(栃木)を3-1で下した。"二刀流"として注目を集める大阪桐蔭の根尾昂(ねお・あきら)は、「5番・ショート」で出場すると、2回に先制の足がかりとなる三塁打をレフト線に放った。

守備でも軽快な動きを見せる大阪桐蔭の根尾昂守備でも軽快な動きを見せる大阪桐蔭の根尾昂 チェンジアップにタイミングを外された直後のチェンジアップ。それを狙って、次はしっかりと間をつくって呼び込み、逆方向へ振り切ったスイング。したたかな"待ち方"だった。

 2打席目はアウトにはなったが、強烈なライナーでセンターに弾き返し、4打席目は左中間を破る二塁打。4打数2安打と幸先のいいスタートを切った。

 この試合では、守りでも魅せた。

 7回、作新学院の6番・石井巧のセンター前に抜けるかという打球に、腕を目一杯伸ばして捕球すると、そのまま反時計回りに回転し、一塁へ矢のような送球でアウトにしてみせた。そして9回の守備では、無死一、二塁のピンチで強烈なショートゴロに鋭く反応して併殺に。

 結局、この日は最後までマウンドに上がることはなかったが、最速148キロのストレートと切れ味鋭いスライダーは、投手としても十分に魅力である。

はたして、プロのスカウトたちは根尾を"投手"として見ているのか、それとも"野手"として見ているのか、はたまた"二刀流"として見ているのか。今回、5人のスカウトに話を聞くことができた。

「内野手。それもショートですね」

 そう即答したのは、現役時代はショートやセカンドなど、内野手として活躍したスカウトだ。

「見ましたか、あの肩。三遊間から一塁が近く見えるほどの肩の強さ。あれだけは鍛えても身につかない。プロのショートはああいう"財産"を持った選手にやってもらいたい。私自身がそうじゃなかったから、余計にそういう願望がありますね」

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