2018.06.10

大学選手権で唯一の国立・広島大は、
なんで全国大会に出るほど強いのか

  • 井上幸太●文・写真 text&photo by Inoue kota

 6月11日に開幕する第67回全日本大学野球選手権。出場27校のうち、唯一国公立大で出場を決めたのが広島大だ。

 広島六大学野球の春季リーグ戦では、近大工学部や柳田悠岐(ソフトバンク)、尾仲祐哉(阪神)らの出身校としても名高い広島経済大らの私立大が有力視されるなか、10勝4敗、勝ち点5を奪っての完全優勝を果たし、1983年以来35年ぶりの大学選手権出場を決めた。

35年ぶりに大学選手権出場を果たした広島大の選手たち 昨年は春、秋ともにエースの中田朋輝(ともき/4年)がリーグ最優秀防御率獲得する活躍で3位に食い込んだが、カード2戦目を任せられる投手のメドが立たず、思うように勝ち点を奪えない状況が続いていた。

 そんな中、今シーズンは左腕の橘知哉(3年)が台頭し、2戦目の先発に定着。昨年秋まで先発として登板していた本格派右腕の本田昂大(こうだい/3年)が抑えに回ったことで、投手陣が整備された。

 その効果はいきなり現れた。春季リーグ第2節の広島国際学院大戦でのこと。初戦でエースの中田が先発するも0-5で敗れ、迎えた第2戦。先発した橘が7回1失点の好投を見せ、最後は本田が締めて6-1で勝利。勝ち点をかけた第3戦は再び中田が先発し、7回1失点。8回から本田が登板し、2イニングをピシャリと抑え、勝ち点をものにした。

 投手陣を統括する学生コーチの藤田健太(4年)は、この戦いを「優勝のターニングポイント」と振り返る。

「今までは、中田に頼る部分が大きくて、1戦目を中田で落とすとズルズルってしまうパターンが多かった。そんななか、2戦目を先発として伸びてきた橘を中心に勝ち切ったことで、『オープン戦でやってきたことは、間違いじゃなかった』とチーム全体で確信することができ、優勝につながりました」

 広島工大との第4節以外は、すべて3戦までもつれるタフな戦いが続いたが、近大工学部との第5節でも、同様のパターンで勝ち点を取るなど、整備した投手陣がリーグ戦を通じて、高いパフォーマンスを発揮した。