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5年間プロの夢を追った元独立リーガーが、
教壇で伝えたい大切なこと (2ページ目)

  • 井上幸太●文・写真 text&photo by Inoue Kota

 当初「2年ないし3年」と考えていた独立リーグでの挑戦だったが、成長の手応え、さらには当時監督だった島田直也(元日本ハムなど)の強い後押しもあり、4年目に臨むことを決意した。

「集大成、最後の挑戦」と位置けて臨んだ4年目のシーズン、チームは前期、後期を制しての完全優勝を果たす。四国アイランドリーグplus代表として出場した独立リーグ日本一を決めるグランドチャンピオンシップでもBCリーグ代表の群馬ダイヤモンドペガサスを下し、日本一を達成。松嶋も主将として日本一に大きく貢献した。しかし、この年もドラフト指名の吉報は届かず。シーズン前の決断通り夢をあきらめるか、それとも現役続行か......松嶋の心は揺れた。

「日本一になってすごく嬉しいはずなのに、モヤモヤしたものが残っているというか...。『本当にこれで終わりなのかな?』『これで終わっていいのか?』という気持ちが自分の中にありました」

 引退を決意した同期入団の選手の姿を見て、その思いはより強いものとなった。

「引退した大谷真徳(立正大→徳島)が『もうやることはない』ってすごくすっきりとした表情をしていて......。その姿を見て『NPBに行けなかったにしても、こういう風に終わりたいな』と」

 そして松嶋はこう続けた。

「このときの真徳を見て『こいつはこの先絶対言い訳をしないだろうな、どの世界に行っても頑張れるだろうな』とも思ったんです」

 今ここで引退したら、現役への未練が残り、今後の人生を前向きに生きることができないかもしれない。それなら......考え抜いた末、もう1年勝負をすることを決めた。

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