WBCの隠れた功績。センバツ球児たちが侍ジャパンから学んだこと (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「セカンドが投げる体勢を見て『間に合わないな』と思って前に出ました。小林さんが(14日の)キューバ戦でバックホームを前に出て捕って三塁でランナーを刺したことが印象に残っていて、特別に練習していたわけではなかったんですけど、その通りにできました」

 ちなみに、古賀はプエルトリコ代表の強肩捕手、ヤディアー・モリーナ(カージナルス)のプレーも見たというが、こちらは「次元が違い過ぎて自分に同じことができるイメージが湧かない」と完全に兜を脱いだ様子だった。

 他にも小林が参考になっているという球児の声を紹介しよう。

「フォークの止め方に迷っていたんですけど、小林選手の止め方を見てマネしました。甲子園でも生かすことができたと思います」(東海大市原望洋・宍倉貫太)

「キャッチャーとして配球面の勉強になりますが、一番はその存在感ですよね。ピンチの場面でも『盗塁を刺せる』という安心感と信頼感があります。相手の盗塁を1つでも減らせたらチームにとって大きい、ということを自分も痛感しているので」(作新学院・加藤翼)

 しかし、なかには「自分は小林選手より大野選手(奨太/日本ハム)の配球のほうが好きなんですけど」という不敵な感想を漏らす捕手もいた。

 投手に聞くと、やはり大会で活躍した菅野智之(巨人)や千賀滉大(ソフトバンク)の名前がよく挙がった。なかでも、準決勝・アメリカ戦でエースらしい投球を見せた菅野に対しては、こんな声があった。

「菅野投手の真っすぐを低めに集めながら、時には思い切り腕を振ってコントロールより球の勢いで勝負して三振を取るところを見習いたいです」(福井工大福井・加藤功海)

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