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センバツで神戸国際大付が目指す
破壊的「プロレス野球」って何だ!? (5ページ目)

  • 谷上史朗●文・写真 text&photo by Tanigami Shiro

 ブレずにチームをつくってきた姿勢と人間味あふれる人柄を慕い、青木監督を支える者は多い。若手レスラーがスターダムの階段を一段一段上がるように、チームをつくってきた。そして迎える今年のセンバツ。

「甲子園って、やっぱり気持ちいいんですよ。あれだけのお客さんがいるなかで野球ができる幸せ。あの高揚感は、プロレスのビッグマッチの会場の雰囲気と一緒。1球1球に歓声が上がるし、スタンドから『頑張れよ!』とか声をかけられたりしたら涙が出そうになるからね」

 好きなレスラーは誰かと聞くと、ジャイアント馬場、三沢光晴、小橋建太らに続き、ジャンボ鶴田の名前を挙げた。

「ホンマはもっと強いのに、その強さがなかなか出てこなくて。でも、いつかその強さが出てくると応援していたのが、鶴田さんでした」

 鶴田は後年、ハンセンやブロディ、天龍源一郎、三沢といった好敵手を得て、その実力を余すところなく発揮した。はたして、今回のセンバツで神戸国際付は高校野球界のジャンボ鶴田になれるのか。

 初戦の相手が東海大福岡で、同じブロックには早稲田実業、明徳義塾、大阪桐蔭、静岡など、錚々たる強豪校が揃った。青木監督は「男らしいゾーンやね」と笑った。

 昨年の秋は履正社に敗れたが、近畿大会で準優勝。秋のチーム打率.377は出場校中2位で、左腕エース・黒田倭人(くろだ・やまと)の防御率1.02も出場エース中2位。また、1試合平均失策0.42も出場校中2位と実力は文句なし。その実力を遺憾なく発揮すれば、大きな結果が待っていたとしても不思議ではない。そうなれば、全国各地のスタンドでプロレスのテーマ曲が響き始めるかもしれない。

「真似されるのは嫌やけどね(笑)」

 少々複雑な表情を浮かべた指揮官だが、誰もが憧れ、真似をしたくなるような強さなら、青木監督も笑顔で諦めるしかない。

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