2016.08.15

優勝候補対決の明暗。
雷雨中断の間に履正社、横浜は何をしたか

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 完璧な立ち上がりだった。

 初回、先攻の横浜は1番・戸堀敦矢のボテボテのショートゴロが内野安打となったのをきっかけに、相手捕手のフィルダースチョイス、送りバント、犠牲フライで先制。甲子園初先発となる石川達也に1点をプレゼントした。

「(履正社打線は)左が上位に並ぶので」(平田徹監督)という理由で先発に起用された左腕の石川は、指揮官の期待通り、その裏を三者連続三振。絶好のスタートを切った。

横浜打線を1点に抑えた寺島成輝と井町大生の履正社バッテリー ところが、2回裏。いい流れだった横浜に、予期せぬ"邪魔"が入る。一死二塁、打者・寺島成輝に対してカウント3-2となったところで雷雨による43分間の中断。石川は再開後の初球で寺島を空振り三振に斬って取るが、7番・若林将平にライト前ヒットを許すと、8番の山本侑度にはレフトスタンドに3ラン本塁打を浴びて逆転を許した。寺島を空振りさせたのはストレート。若林将に打たれたのも、山本に打たれたのもストレートだった。

「石川はストレートで押せていたので、このままいけるかなと思いました。(再開後の初球の)寺島に投げた内角ストレートもよかったので、まだ押せると。(山本への)3球連続ストレートは僕のミスです」(捕手・徳田優大)

 三者連続三振の初回は16球中11球がストレート。そのうち6球で空振りを奪っている。そのイメージが頭にありすぎたことで、中断中、石川の配球を「ストレートが多い」と確認し合っていた履正社打線には格好の餌食となってしまった。