【12球団分析・ロッテ編】凄腕の二軍コーチ陣が若手を覚醒させる

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by kyodo News

プロ野球12球団、2016年の戦力分析(9)

 昨シーズンの千葉ロッテマリーンズは、移籍2年目の涌井秀章が最多勝を獲得するなど、チームの軸として機能したこともあり、3位という一応の結果を残すことができた。しかし、最後までAクラス入りを争った西武にシーズン中の13連敗がなければこの順位もあやしかったし、なにより優勝したソフトバンクに18.5ゲーム差をつけられてしまったという事実は真摯に受け止めるしかない。

キャンプでの一軍スタートが決まったドラフト1位ルーキーの平沢大河キャンプでの一軍スタートが決まったドラフト1位ルーキーの平沢大河

 だがこのオフは、さらなるレベルアップを図ろうとしていた矢先に、内野の要として活躍していた今江敏晃とルイス・クルーズがチームを去り、大幅な戦力ダウンを余儀なくされてしまった。

 そんな状況を打破しようと球団は、昨年まで韓国プロ野球のサムスン・ライオンズに所属していた内野手のヤマイコ・ナバーロと、昨年までソフトバンクで2年連続2ケタ勝利を挙げたジェイソン・スタンリッジの外国人2名を獲得した。

 ナバーロはサムスンに在籍した2年間で79本塁打、235打点、47盗塁を記録。特筆すべきは、昨シーズン48本塁打を放ち、韓国プロ野球の外国人選手最多本塁打記録を塗り替えたことだ。

 ちなみに、それまでの記録保持者は02年にSKワイバーンズで45本塁打を放ったホセ・フェルナンデスで、彼は03年から11年間、日本のプロ野球でプレーし、通算206本塁打を放った。そんなことからもナバーロに対する期待は高く、うまく機能すれば得点力アップも十分に見込めるだろう。さらに、今シーズン「100打点」を目標に掲げている清田育宏と、昨年の雪辱に燃えるアルフレド・デスパイネが来日1年目の輝きを取り戻せば、リーグ屈指の強力クリーンアップが完成する。

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