【自転車】激戦のジャパンカップでTeamUKYOが得た次なる目標 (3ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

 ロードレースの全日本チャンピオン窪木は、トラック競技でも全日本タイトルを獲得しており、スプリントの速さは日本でもトップクラスだ。住吉はオールラウンドな資質を有する若手選手で、世界の選手たちと走る経験を増やすことは、本人にも貴重な経験を積む機会になる。世界レベルのレース経験が豊富なプジョルは、どのような状況でも強さを発揮できる選手で、臨機応変な判断力にも優れている。クリテリウムとロードレースが上記のようなラインナップになったのは、理にかなった構成といえるだろう。

 土曜のクリテリウムは、雨との予報もあったが、レース時刻が近づくにつれ、宇都宮駅前の会場上空はすっきりと晴れ上がった。午後3時50分にスタートしたレースは、序盤には窪木がトップ集団に加わり、レース終盤になるとプジョルが独走状態で先行したが、残り2周でメイン集団に吸収された。最後はクリテリウムらしいゴール直前の集団スプリントバトルになり、僅差の激戦を制したトレック・ファクトリー・レーシングの別府史之が勝利した。ちなみに、ジャパンカップ・クリテリウムで日本人選手が優勝したのは、今回が初の快挙だ。TeamUKYOの最高位は、畑中勇介の9位だった。

 日曜のロードレースは、早朝から秋晴れの好天に恵まれた。1周10.3キロの宇都宮森林公園周回コースを14周して争われたこのレースに先立ち、チームを率いるキャプテンの土井は、「自分たちは国内が主戦場だけど、今年は勝てるレースをすべて勝ってきた。今日のレースでも、その力をしっかりと出しきりたい」と話し、畑中も、「国内チャンピオンチームの存在感をしっかりと発揮したい」と話した。

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