【自転車】世界の強豪が「さいたま」に集結。TeamUKYOの結果は?
遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第80回】
10月24日、埼玉県さいたま市にて自転車競技イベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が開催された。このレースに出場するため、2015年のツール・ド・フランスを制したクリス・フルーム(イギリス)を筆頭に、海外のトップ選手が来日。国内で強さを発揮しているTeamUKYOは、彼ら世界の強豪相手にどんな走りを見せたのか。
海外トップ選手のなかで存在感をアピールしたTeamUKYOの畑中勇介 ここ数年、10月は日本のサイクルロードレース界にとって、もっとも盛り上がる1ヶ月になっている。長年にわたって毎年この月の中旬に開催されている「ジャパンカップ」に続き、2013年からはその翌週に「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が開催されているからだ。世界レベルのイベントが2週連続して行なわれることで、いまや10月は「自転車強化月間」といってもいいほどの昂奮と熱気が支配する月になっている。
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが初めて開催されたのは2013年――。ツール・ド・フランスを主催するA.S.O(Amaury Sport Organisation/アモリ・スポル・オルガニザシオン)が直接運営に携わり、ツール・ド・フランスの総合優勝選手を筆頭に、ワールドツアー各チームから大勢の有力ライダーが参戦することもあって、開催前から大きな注目を集めた。レース当日は20万人もの観客がレースを観戦に訪れ、日本人として初めて近代ツール・ド・フランスに参戦した今中大介(現TeamUKYOアドバイザー)をして、「ツール最終日のシャンゼリゼの盛り上がりを、そのままさいたまに持ってきた印象」と言わしめるほどの盛況を見せた。
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著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。