【自転車】片山右京が痛感した「強い態度で臨む必要性」 (4ページ目)
また、ツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野での厳しいリザルトは、自分たちを戒(いまし)める好材料になった、ともいう。
「もしもツアー・オブ・ジャパンで総合優勝を争い、熊野でも勝ったりしていたら、『今のままでいいんだ』と勘違いしていただろうし、『基礎から組織を引き締めなければならない』とも考えなかったと思います。
ワールドツアーチームのランプレ・メリダ(本拠地:イタリア)や、プロコンチネンタルのNIPPO・ヴィーニファンティーニ(イタリア)なんて、いわば一軍の強豪選手たちは時期の重なっているジロ・デ・イタリアに参戦していた。だから、あの時期に日本に来ていたのは、彼らにしてみれば1.5軍や二軍ですが、それでもあれだけのパフォーマンスを発揮してステージ優勝できる。
だからこそ、選手たちはそこに行きたいと思うんだし、我々もそれくらい魅力的で強靱な組織づくりを目指したいと思うんです」
(次回に続く)
著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。
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