【自転車】片山右京が痛感した「強い態度で臨む必要性」 (2ページ目)
そして翌週のツール・ド・熊野では、5月上旬のインドネシアでのレースから3連戦となった若手選手が体力を消耗し尽くしてしまい、最後まで走り切ることができなかった。
「若手選手たちに体調を尋ねても、彼らは『大丈夫です』と言ってくれるけれど、チームを束ねる監督としての立場から考えると、もっと彼らの様子を冷静に観察して、厳しい判断を下すことも必要だったのかもしれません。その意味では、結果論ではあるけれど、今回の厳しいリザルトはむしろ我々マネージメント側に原因がある。『チャンスを与えてあげたい』という甘さを排して、時には強い態度で臨むことの必要性も痛感しました。
また逆に、ツアー・オブ・ジャパンで体調を崩し、ツール・ド・熊野を休んでもらった外国人選手たちに対しては、むしろ彼らを登用すべきだったかもしれない......という反省もあります。グランツールの経験が豊富な彼らは、長いステージレースの中でコンディションの良くないときがあっても、日々のステージを戦いながら調整していく術(すべ)を知っています。ツアー・オブ・ジャパンと熊野をふたつのレースと捉えるのではなく、休養日を挟んだ『ひとつの長いレース』と考えて走らせてあげれば、レース終盤に向けて本来の力を取り戻していた可能性はあるし、そうなると、チームとしての戦い方も変わっていたかもしれません。
とはいえ、これもあくまで結果論です。そのような難しさを視野に入れながら、チームを采配していく我々が成長しなければならないと強く感じました。将来的に選手の数を増やし、もっと高いレベルの戦いを目標にするのなら、選手たちのコンディションや、脚質とコースとの相性、モチベーションなど、我々の側がもっと繊細にマネージメントできるようにならなければ、とても勝負にはならないでしょうから」
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