【自転車】片山右京が語る「ツアー・オブ・ジャパン」に賭ける思い (2ページ目)
昨年のツアー・オブ・ジャパンは、イラン勢が席巻(せっけん)した。欧州の超級(※)山岳に匹敵する難関の富士山ステージは、最大勾配22%の斜度を持つコースだが、ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン/タブリーズ・ペトロケミカル)が過去の記録(39分47秒)を大幅に更新する、38分51秒という驚異的なタイムでステージ優勝。最終日の東京ステージを終えて総合トップの座を守り切り、オールラウンドな強さを見せつけた。一方、TeamUKYOはホセ・ビセンテが総合4位、リカルド・ガルシアが13位、土井雪広が14位という成績で終えた。
※山岳コースは標高差や勾配などの難易度で、超級から1級、2級、3級、4級、と5種類に区分されている。これらの各山岳では、頂点に山岳賞地点が設けられており、そこを通過した順にポイントが与えられる。このポイントは、山岳の等級や選手の到達順で、何位通過までに何ポイントが与えられるかという配分が異なっている。同じ1位通過であっても、4級山岳よりも超級山岳のほうが当然、獲得ポイントは大きい。
あれから1年が経過し、TeamUKYOに所属する外国人選手の顔ぶれは大幅に変わったが、土井雪広をキャプテンに据えたチームは結成以来、最強の総合力を備えている。国内シリーズ戦のJプロツアーではここまでの6戦で4勝し、個人部門でもチーム部門でも他を圧倒する強さを見せている。
「たしかに、思っていたよりは強さを発揮できているかもしれません。しかし、ここから先の戦いでコンディションを上げて結果を出していかなければ、自分たちが今年の目標にしているところまではとても届かない。そこまでのパフォーマンスはまだ出せていないな......というのが、今の正直な印象です」と、片山右京は現在の自分たちの実力を、そんなふうに捉(とら)えている。
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