【自転車】TeamUKYO・土井雪広が語る夢「再び本場欧州へ」

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第47回】

 TeamUKYOが個人部門とチーム部門の2冠達成を目標とする2015年のJプロツアーは、3月15日に宇都宮にて幕を開ける。今年のTeamUKYOを牽引するエースライダーは、31歳の土井雪広だ。選手として充実した時期を迎えている土井が描く、今後のビジョンとは――。

(前回コラムはこちら)

過酷な練習のあとでも笑顔で撮影に応じてくれた土井雪広過酷な練習のあとでも笑顔で撮影に応じてくれた土井雪広 自転車ロードレースは苛酷な競技だ。1日4~5時間は走行する競技の中で、消費する熱量は7000キロカロリーを軽く超える。20代男子の1日の基礎代謝が約1500キロカロリーであることと比較すれば、その苛酷さは容易に想像がつくだろう。

 この体力面での苛酷さに加え、4~5時間という長い競技時間をチーム全員で戦いながら、エースを勝たせるための駆け引きや、あるいは何日にも及ぶステージレースの場合には長期的な戦略の組み立てなど、精神面の攻防も勝負を左右する重要な要素となる。

 そのために、自転車ロードレースの選手は精神力と体力のバランスが最も良い、20代後半から30代前半に競技生命のピークを迎えるとも言われる。

 さらに、近年のスポーツ科学やトレーニング技術の進歩で、選手寿命は確実に延びている。その意味では、現在31歳の土井雪広は、今がまさに選手として心身ともに充実した時期を迎えているとも言えるだろう。

 かつての土井は、2016年のリオデジャネイロオリンピックを現役活動の区切りとして考えたい、と話していた。だが現在では、さらにその4年後――2020年の東京オリンピックまで現役活動を続けたい、と話す。

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著者プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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