【自転車】TeamUKYO・土井雪広が語る夢「再び本場欧州へ」 (4ページ目)
今の自転車界は若い選手を見ていても、火花が散るような関係なんてないですよね。右京さんからモータースポーツの世界のライバル関係を聞くこともあるけど、特に若い時代はそういった強力なライバルがいたほうが、結果としてお互いを高め合うことにもなると思うんですよ。頂点の世界はハンパじゃなく険しいから、そうやって自分自身にも厳しく向き合うことができなければ、とても通用しない」
しかし、これらの言葉をさらに一歩引いて眺めてみれば、自分自身が強くなりたいと考えることで精一杯だったかつての若者が、今では選手育成や日本ロードレース界の将来について思案するほどの大人に成長した――ということでもあるだろう。その意味で、チームを統率するリーダーとして成熟を遂げた現在の土井雪広が、今年のTeamUKYOをどんなふうに束ねてシーズンを戦っていくのか、興趣が増すところだ。
彼らの2015年の戦いは、3月15日に行なわれるJプロツアー開幕戦・宇都宮クリテリウムから始まる――。
著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。
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