【自転車】TeamUKYO・土井雪広が語る夢「再び本場欧州へ」 (3ページ目)
「今から考えれば、とんでもなく生意気な小僧だったと思いますよ。先輩やチームのスタッフにも平気で食ってかかっていましたから」
では、当時の自分のような跳ねっ返りが今の自分の前に登場したら、土井はいったいどんなふうに感じるのだろう。
「いや、むしろうれしいですよ」
そういって微笑む。
「当時の自分がそうだったから、あまり偉そうなことを言えないというのもあるけど(笑)、『いいなあ、生意気で』ってきっと感じると思う。でも、残念ながら、今の若手にはそういう選手がいないんですよ。能力が高く、可能性を持っていそうな子はいるんだけど、だいたいみんなおとなしくて、強烈な覇気をあまり感じられない。しかもみんな、仲良しになっちゃうんですよね」
そのような従順さが不思議でたまらない、と土井はいう。自分自身の過去を振り返ると、たとえば10代のころは、当時最大のライバル関係にあった別府史之(トレック・ファクトリー・レーシング所属)とは互いに強烈に相手を意識していたため、特にレース前などは言葉を交わすことがほとんどなかったという。
「高校時代なんて、世界戦の合宿でフミ(別府)と同じ部屋になったときでも、まったく口を利きませんでしたから。おめえが右に行くなら俺は左、くらいの状態で(笑)。今はお互い大人になったし、実力を認め合っているので、誕生日のメッセージをやりとりする関係になりましたけど。
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