【新車のツボ173】ランドローバー・ディフェンダー。オシャレで高性能、今ふうSUVに生まれ変わってもレガシーはそのまま (2ページ目)
昨年夏に日本上陸した新型ディフェンダーとは、そんな由緒正しき元祖ランドローバーが約5年という空白期間を経て、まったく新しく生まれ変わったクルマというわけである。筋金入りのマニアにとって、新型ディフェンダーは歴史的なビッグニュースなのだ。
新型ディフェンダーは前身の初代ディフェンダー(下の写真参照)とは別物である。いや、もちろん「フルモデルチェンジしたんだから、それは当たり前だろ!?」とのツッコミはもっともだ。しかし、マニア間で"歴史的名作"と評されるカリスマSUVという意味ではディフェンダーに似ているスズキ・ジムニー(第150回参照)やジープ・ラングラー(第160回参照)は、ハシゴ型のラダーフレームや前後リジッドサスペンション、シンプルで直結可能な4WD......といった古典的なメカニズム形式をあえて踏襲している。それに対して、新型ディフェンダーの中身は、オールアルミのモノコックボディに四輪独立サスペンション、電子制御フルタイム4WD、そして今回のロングボディ版は全グレードにエアサスペンションも標準装備する。つまり、中身はとことん、バリバリの最新鋭なのだ。
新型ディフェンダーのアシさばきには、昔ながらのリジッドサスペンションのように長大な伸び側のストロークはもたないものの、かわりに四輪独立サスペンションならではのしなやかさがある。そこに緻密なトルク配分をする電子制御4WDが相まって、結果として、実際の走破限界性能はきちんと先代以上に進化しているという。それでいて、われわれ一般ドライバーが普段使いする舗装路での乗心地や身のこなしの正確性は、先代ディフェンダーとは天と地ほどの差で新型が優れる。
初代ディフェンダー
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