【新車のツボ163】プジョー3008。超小径ステアリングホイールが走りの快感につながる (4ページ目)
同じフランス企業だったシトロエンをプジョーが買収したのは1976年だった。以来、PSAは販売地域も価格帯もよく似た2つのブランドの作り分けにずっと苦慮してきた。そんな両ブランドに今ほど際立ったツボのちがいが感じられて、しかもそれぞれが成功しているのはPSA史上初では?......とすら思う。こういうむずかしい仕事を見事にやってのけたタバレスさんなら、FCAを含めた多ブランド戦略もうまくやってくれる気がする。
それにしても、最新のプジョーを象徴する3008は1台のクルマとしてよくデキている。しかも、基本骨格やメカニズムをシトロエンと共用しながら、デザインだけでなく、乗り味の差別化にも成功している点は、うるさいクルマオタク筋も納得のツボである。
その秘密のひとつが、プジョーにだけ使われる超小径ステアリングホイールだ。これが使われはじめたのは13年ころからで、当時は操作が過剰に速く大きくなりがちな超小径ステアリングとシャシーのバランスがよくなかったが、最新の3008はそのあたりの調律がドンピシャ。小さなステアリングを握る手首をくいッと動かすだけで、クルマの動きがフワピタと決まる瞬間は、それはもうプジョー乗りならではの快感のツボである。
【スペック】
プジョー3008GTライン
全長×全幅×全高:4450×1840×1630mm
ホイールベース:2675mm
車両重量:1480kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ・1598cc
最高出力:180ps/5500rpm
最大トルク:250Nm/1650rpm
変速機:8AT
WLTCモード燃費:13.4km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:416万6000円
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