【新車のツボ163】プジョー3008。超小径ステアリングホイールが走りの快感につながる
2019年の自動車業界における世界最大のニュースといえば、年末ぎりぎりの同年12月18日に正式合意にいたったPSA(プジョー・シトロエン)とFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の合併だろう。両グループは対等合併で、年間の販売台数は合計で870万台ほど。フォルクスワーゲングループ、ルノー・日産・三菱アライアンス、トヨタグループに次ぐ世界4位の規模になる。
大手メディアの間には、この合併を"弱者連合"と上から目線で揶揄する論調もあるが、クルマ好き目線から見ると、このコンビはなかなか興味深いものがある。
それは、とくにここ数年のPSAが過去最高のスピードで業績を伸ばしてきた勢いがあるからだ。2012年前後には倒産の危機までさけばれたPSAだが、14年にルノーから電撃移籍してきたカルロス・タバレスさんがCEOに就任すると、業績もV字回復。翌15年には黒字化に成功して、16年には米ゼネラルモーターズから欧州事業(=オペル/ヴォクスホール)を買収するまでになった。
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