【新車のツボ151】日産GT-Rニスモ。武闘オーラも優しい乗り味 (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 GT-Rニスモは驚くほど乗り心地がいい。いや、アシは正直硬くて路面のアタリもそれなりに鋭いし、もっと速くて乗り心地のいいライバルも少なくないが、低速でもボディが上下に揺れないのが最大の驚きだ。この独特の乗り心地はボディ剛性やサスペンションの地道な開発によるところもあるだろうが、最大のツボはやはり、この見るからに......の空力ボディの恩恵だろう(で、実際にも日産史上最大のダウンフォースが発生するという)。

 今のGT-Rにはニスモと同じサスペンションをノーマルボディに組み合わせた"トラックエディション"もあって、それが「ヒツジの皮をかぶったオオカミ」が好きなマニア筋にウケている。しかし、2台を乗り較べると、トラックエディションのほうが明らかに乗り心地が悪い! ズンドコ揺さぶられるのだ。

「一般公道でダウンフォースもないでしょ?」といぶかる向きもあるかもしれないが、マジモノの空力はそれこそ30~40km/hでも、乗り較べれば"ちがう"ことはアマチュアでも気づく。さらに高速道路になれば、多くの人が「うわっ、安定してる!」と明確に感じられるものなのだ。クルマにとっての空力は、一般の皆さんが思う以上に効果絶大なのである。

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