2018.12.31

【新車のツボ150】スズキ・ジムニー。
武骨で古典的が逆に新鮮⁉

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 というわけで、日本で売れるジムニーは伝統的に9割以上が軽である。なにせ、本体価格だけでも軽ジムニーのほうが18万円近くも安く、購入時にかかる諸経費が10万円前後もちがってくるケースもある。また、買った後も年間の自動車税や高速道路料金など、軽のほうが圧倒的にお得……といったことを考えても、新型ジムニーでも一般的にオススメできるのは軽ジムニーのほうである。

 しかし、冷静になって考えれば、今のジムニーバカ売れ現象も一時的なものである可能性は高い。ジムニーの本質はやはり「これでないと成り立たない生活や趣味をお持ちの人が乗る特殊車両」である。そういうマニアックなジムニーに乗るなら、日本ではさらにマニアックなシエラを選ぶのがマニアのツボである。

 使い勝手や金銭面ではなるほど不利な部分が多いシエラだが、2台を直接乗り比べればワイドな歩幅によるカーブや悪路での安定感・安心感は軽ジムニーを上回る。エンジンにも余裕があるから走行音も静かだし、あえてエンジンの能力を引き出せる5MTを選べば「アウトバーンなら160km/h巡航もできます」とはチーフエンジニアの弁である。……といった理屈もあるが、結局のところ、オーバーフェンダーで無理やり広げたスタイリングが素直にツボ……なのは私だけか。

 まあ、軽でもシエラでも、とにかくジムニーは”生きる化石”というか”化石なのに今も進化している化石”である。一過性のブームなんぞ関係なく、日本トップのツボグルマ、あるいは文化産業遺産として大切に保護して愛でるべき存在である。

【スペック】
スズキ・ジムニーシエラJC
全長×全幅×全高:3550×1645×1730mm
ホイールベース:2250mm
車両重量:1090kg
エンジン:直列4気筒DOHC・1460cc
最高出力:102ps/6000rpm
最大トルク:130Nm/4000rpm
変速機:4AT
WLTCモード燃費:13.6km/L
乗車定員:4名
車両本体価格:201万9600円

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