【新車のツボ143】シトロエンC3、
これぞアバンギャルド! (3ページ目)
知っている人も多いように、シトロエンは1970年代にプジョーに買収されて、今はプジョーシトロエングループとしてはほぼ一体化している。この2ブランドは技術的な共用化も進むいっぽうで、このC3にしてもプジョー208(第126回参照)と機械の中身はほぼ同じ兄弟車といっていい。
中身はほとんど同じプジョーとシトロエンをどう差別化するか......は、彼らにとって永遠に解決することのない宿命である。正直いうと、時代によっては、成功したり失敗したり......の繰り返しだが、いまは近年まれに見る"成功期"だと思われる。
最近のプジョーは前記の208や308(第102回参照)のように肉食系動物っぽいのに対して、シトロエンはあえて人工的な幾何学デザインとなっている。さらにその幾何学デザインをエアバンプのように機能にも昇華させているのがニクイ。そして、シトロエン全体に漂うオーラはどこか優しげな癒し系だ。
この優しげな癒し系......というのはC3の走りにも当てはまる印象で、このC3ほど見た目と乗り味のイメージが、高度かつドンピシャに統一された例は最近でもめずらしい。シツコイようだが「これぞシトロエン!」である。
こうしてシトロエンの"キャラ立て"に成功した最近のプジョーシトロエンは、このC3も含めて欧州や中国でヒット作を連発。さらに、昨年には独オペル(=欧州GM)の買収にも成功して、同じフランスの宿敵"ルノー日産"を猛追中である。
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