【新車のツボ143】シトロエンC3、
これぞアバンギャルド! (2ページ目)
また、よく見ると、前後のバンパーもいちばん飛び出た部分は、少しのキズなら目立たない黒い樹脂......といったC3のデザインにヒザを叩きたくなったドライバーも多いだろう。クルマのちょっとしたキズやヘコミは「気にしなければ支障はないが、どうにも気になる!」という微妙さが、諦めがつく大きなキズや故障よりもストレスが大きかったりするからだ。
まあ、横っ腹のエアバンプも、日本の駐車場でありがちな隣のクルマによる"ドアパンチ"を本気で防ごうとすれば、その位置や厚みに工夫の余地がありそうだが、そのアイデア自体が、もう目からウロコである。
......と、C3のデザインはことごとく上下に分厚く、背が高く、押し出しのきくSUV風味に、「街中のタフガイ?」なディテールもあしらわれているが、実体はただのコンパクトカー(またまた失礼!)である。
実際の全高は1.5mを切っており、大きめの地上高を差し引くと、ボディの基本プロポーションそのものは分厚いSUV風どころか、どちらかというと薄くて低い。
だから、運転席も特別に目線が高いわけではなく、重心が低いので安定感も高い。シトロエンは歴史的に"フワピタ"な乗り心地を売りにしてきたが、柔らかいのにフラつかず、癒し系なのに安定している......といったC3の乗り心地は、ひさしぶりに「これぞシトロエン!」といいたくなるデキである。
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