【新車のツボ118】日産エクストレイル試乗レポート (3ページ目)

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 ただ、見るのと、乗って触って使うは別問題。エクストレイルは、いまでもやっぱりエクストレイル。伝統のツボは健在......どころか、そのうえで「本気で使うなら、やっぱりこれかなあ」と思わせる機能性である。

 スタイリングもたしかに表面は丸っこいのだが、基本骨格は後ろ半分の容量をきっちりと確保した生真面目なプロポーションで、後席やトランクはクラストップ級に広い。スポーツやアウトドアの道具を、濡れたままトランクに放り込める防水インテリアもきちんと設定されている。

 走りもドシッと重厚。どこぞの新興勢力SUVのようにチャキチャキ曲がったりはしないが、ゲレンデ特急(笑)よろしく高速道に乗ると、ヒタッとフラットに落ち着いて、ストレスのない安定感。高速を延々ひた走る使い方だと、このクラスでもっとも快適で疲れにくい。高級になったけどやっぱりタフ。

 さらにハイテクを駆使した独自技術の "アクティブライドコントロール"もメチャ効く。これは四輪ブレーキを緻密に操ることで、凹凸路での前後方向の揺れをおさえる技術。黒子に徹するアシストなので、無意識に乗っているとなんの感動もない(!)のだが、ほかのSUVで同じ道を同じように走ると、ステアリング操作もままならないほどバウンバウンといろんな方向に揺すられて驚く......というシロモノである。つまり、悪路上級者の名人級アクセルコントロールを、機械が勝手にやってくれる目からウロコの新技術である。
 

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