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宮司愛海&中村光宏が語る世界フィギュア。
北京五輪に向けた闘いが始まる (4ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

宮司 ジュニアとシニアの主要国際大会を完全制覇する『スーパースラム』達成ですからね。むしろ、四大陸選手権のタイトルを獲っていなかったのは意外でした。

中村 すごすぎるよね。もっとも印象的だったのは、羽生選手の「スケートはやっぱりいいよね」という内容のコメント。その時の表情も含めて。羽生選手がそう発言したことで、四大陸選手権がアジアやアメリカ、オセアニア、アフリカの国と地域から参加する国際大会のひとつではなく、特別な選手にとっての特別な大会になったと思うな。

宮司 羽生選手への大会後のインタビューを担当させていただいたのですが、「人間として安定してきた」という内容のことを話されていて。ある意味、スケートを極めた人物が、スケートだけではなく、人としてさらなる高みに行こうとしている。その姿に比類ない一面を見た気がしました。 

中村 先駆者がいて、そこを後から歩むことはできるよね。でも、羽生選手は誰もやったことがないことをやる。そこがすさまじいし、特別だと感じてしまう理由だろうね。

宮司 羽生選手にとっては、「自分のスケートを取り戻す」をテーマに臨んだ大会でしたが、ショートは「納得のいく出来」と言っていました。フリープログラムの『SEIMEI』は、世界選手権でさらにいい演技が見られると思うとワクワクします。

中村 四大陸選手権では鍵山優真選手がシニア国際大会に初出場で3位になった。友野一希選手も7位と頑張ったけど、やっぱり16歳で3位はすごかったね。

宮司 鍵山選手は見るたびに大人っぽくなっていきますよね。あの年齢であれだけの安定感のある選手はほかにはいないと思うんです。だけど、インタビューのときは16歳らしい面も見せてくれたんですよ。

中村 どんな風に?

宮司 インタビューって演技後と、順位確定後の2度ありますよね。演技後は清々しい表情でインタビューに来たのですが、3位が決まったあとはちょっと上の空というかパニックみたいになっていて。まさか表彰台に立つことになるとは思っていなかったみたいで。

中村 去年の全日本選手権で3位になって「驚きのジュニアが!」となったけど、あの時とも違ったの?

宮司 四大陸選手権で羽生選手と一緒に表彰台に立てたことに驚いていたみたいでしたね。羽生選手も16歳の時に四大陸選手権で2位になって表彰台に立っている。それに続くことを自分が成し遂げたと実感したんだと思います。だから、落ち着かない気持ちもわかるんですよね。

中村 鍵山選手も、16歳らしさだったり、人間味が溢れている感じがいいよね。

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