【出水麻衣】イチロー選手との個人的な一問一答。
思わず感動した「その中味」 (2ページ目)
会見での口調は、15年ぶりの日本での会見、また多くのメディアの前で言葉を発するということで、ひとつひとつ言葉を丁寧に選んでスキがないように思えました。同時に、ずっとお茶を飲み続けて、自分の分だけでは足りなくなって、隣に座っていたGMのお茶までもらって、場内の笑いを誘うお茶目な面も見せてくれました。
会見中お茶を飲み続けていたイチロー イチロー選手は、会見でベテランアナウンサーの方に逆質問をして驚かせていましたが、会見が終わった後、私に対しても「今日のこの会見の司会の依頼がきて、どう思いましたか?」と質問を投げかけてくれました! 予想していなかった逆質問に、私はとにかく緊張......。
「こんな機会は滅多にない!と思って、すぐに飛びついて受けました」と興奮して話すと、「ありがとうございます。そういう姿勢の方、好きです」と言ってくださって、すっかり舞い上がってしまいました。
さらに、イチロー選手はとても素敵な方で、台本の目立たない場所にあった「司会:出水麻衣」という箇所を見てくださっていたのか、私の名前を知っていてくれて、「今日は嬉しかったです。司会、とても良かったです」と声をかけてくださり、そのひと言にさらに心を奪われました。
今回の会見のイチロー選手の言葉でいちばん考えさせられたのは、「人間が成熟していく段階で、40歳を越えてからの時間は、すごく大きな意味を持つのではないか」というフレーズ――。
野球選手でなくても、40歳というのは重要な節目となる年齢。その40歳を越えてなお現役を続けるなかで「自分の哲学が生まれていくことに期待をしたい」と語ったイチロー選手。トップに登りつめ、実績を残してきたイチロー選手が、さらに高いレベルを目指すその姿勢を目の当たりにできた貴重な現場だったと思います。
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