2020東京五輪候補たちが走る。全日本大学駅伝の見どころ

 名古屋市の熱田神宮から伊勢市の伊勢神宮までの106・8kmで争う「全日本大学駅伝対校選手権大会」。大学駅伝日本一を決める11月3日のこの大会の中継で、私は監督車に同乗して各大学の監督の表情などをレポートします! 45回目になる今大会を前に、駒澤大と東洋大、日体大、早稲田大、青山学院大などを取材してきました。

 今回、私が注目している選手のひとりが、「学生長距離界ナンバー1」と言われ、1万mで27分38秒31の日本学生記録を持ち、8月のモスクワ陸上世界選手権にも出場した大迫傑選手(早稲田大)です。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita
 大迫選手は1年の頃から三大駅伝(出雲、全日本、箱根)のすべてに出場し、1年時には早稲田の3冠獲得の原動力になっています。そして、4年生となった今年は、主将としてチームを引っ張る存在です。ただ、1万mで世界と勝負できるようになりたいと、アメリカで練習を重ね、ヨーロッパ遠征にも出るなど、チームの夏合宿には参加できなかったそうです。

 日本にいない間は、副主将とメールでやりとりをしてチーム状況を聞いていたといい、「みんなのお陰で、自分の道を歩ませてもらえている。駅伝は今シーズンで最後だから、チームに恩返しをするためにも頑張りたい」と、感謝の気持ちで大学ラストシーズンに臨んでいるのです。

「後輩からもっと積極的に(自分に)質問をしてもらいたい」と大迫選手は言っていましたが、後輩からすると、やはり世界大会に日本代表として出場している先輩に「声をかけづらい」ところもあるようで、キャプテンとしてどう対応すべきか考えているようでした。それでも、後輩の選手たちは大迫選手の走りや練習を見て、「いろいろ学ぶことはたくさんあります」と話してくれました。

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