日本シリーズの舞台裏で目撃した両チームの対照的な表情

 第7戦までもつれた今年の日本シリーズは、現場で取材しながら、もうドキドキが止まりませんでした。今年はセ、パともにシーズンで1位だったチーム同士が勝ち上がっての対決でしたが、どちらかが勢いづくと、次の試合ではもう一方が盛り返すという、綱引きを見ているような日本シリーズでした。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita 選手層が厚く、昨年日本一になった経験もあるため有利と思われていた巨人。それに対して楽天は全員「東北で日本一を!」という気持ちで戦っているという印象で、その対比構図も面白いシリーズになった要因だったと思います。

 また、今年は楽天の田中将大投手がシーズン24勝0敗という素晴らしい活躍をしていたため、普段あまり野球に興味がない方でも「今日、マーくん勝ったの?」と関心を持つ注目度の高さがあったのではないでしょうか。

 私は仙台での第1戦と第2戦を現場で観ることができず、東京ドームでの第3戦から取材に行ったのですが、そこで見た両チームの雰囲気は対照的でした。

 巨人の選手たちは自分たちのやるべきルーティンワークをひとつひとつ、レギュラーシーズンと変わらずに淡々とこなしている。自分たちがどのように日本一への階段を上がって、どういう歩み方をしなければいけないか、それを理解した上で、黙々と試合の準備をしていました。そんな緊張感のなか、村田修一選手は、横浜時代から取材をしていたこともあって、現場で気さくに声をかけてくださって、なんだかホッとしました。

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