男子バレーボール日本代表の新指揮官、サトウ監督のマネジメント術

 世界バレー出場への道...バレーボールの世界選手権アジア最終予選、日本代表男子は韓国戦で敗れて出場権を獲得できませんでした。世界選手権の連続出場が14で途切れたのは残念でしたが、大会前の練習取材で新しく就任したゲーリー・サトウ監督の指導を見て、これからが楽しみなチームになると感じました。

 若い選手も入ってきた男子チームですが、サトウ監督が選手同士のコミュニケーションを重視していることもあり、ゲーム形式の練習では、一球一球、プレイの前後に全員で集まって、話し合いが密に行なわれていました。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita これまでの合宿では、選手は監督の指示を聞くことがほとんどで、体育館に監督の声が響き、選手は「練習中私語禁止」という雰囲気でした。それが今は、サトウ監督はほとんど指示を出すことがないため、選手同士の声が響きます。監督が選手と比べて小柄ということもあって、パッと見てどこにいるかわからず、意図的に存在感を消しているのだろうかと思うほど。

 また、練習内容の伝達や指示出しについては、デービット・ハントヘッドコーチが担当して、チームコンセプトを選手にインプットしていき、サトウ監督はよほどのことがない限り口を挟みません。練習中、ときどき「Good!」と選手に声をかける程度です。

 若い選手たちも萎縮することなく、ノビノビとやっていました。選手全員、オープンマインドで、いろんなことを吸収して、話し合っていこうというスタンスが見受けられ、まさに今、新しいチームが作られているところなのだと思いました。

 また、福澤達哉選手が「監督はチームのマネジメントをしている感じで、どうすれば選手がノビノビ気持ちよくプレイに集中できるかを常に考えてくれている」と言っていたように、今の日本代表チームの体制は選手へのサポートがしっかりしています。

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