フォームはウサイン・ボルト流。世界陸上を目指す17歳・土井杏奈選手 (2ページ目)
ちなみに、100m日本記録保持者の福島選手の身長は165㎝でストライドは2m4cm。一方、土井選手は158㎝と小柄ですが、ストライドは2mあります。それだけでもすごいことですが、土井選手は足の回転が速く、それを本人も周りも理解しているので、ストライドが伸びれば身長差をカバーして福島選手とも並んで走ることができる。そのことも意識してのフォーム改良だったそうです。
photo by Yamamoto Raita 取材で高校にうかがったときも、骨盤の回転を利用して、一歩一歩のストライドを伸ばしていくトレーニングをしていました。とはいえ、身体は17歳でまだまだ発展途上。筋肉が動きについていかず、昨年はすこし腰を痛めていたのです。
取材の日は、走れない間にやっていた練習を見せてもらいましたが、体幹トレーニングなどのさまざまなメニューがズラリ。それをすべて真面目にやったら4、5時間はかかるそうです。そして、土井選手はそれを淡々と続けていました。
毎日単調な筋トレや体幹トレーニングばかりだったら、私だったら飽きてしまったり、サボったりすることもあると思うのですが、清田先生が「あまりにも黙々とやっているから声を掛けられなかった」と言うくらい土井選手は真剣そのもの。「暗くなってフッと(屋内トレーニング場を)見るとまだ土井が練習をしていた。その時は、何かジーンとしちゃったよ」と、感動してしまったそうです。
現在は、走りのトレーニング後、2、3時間の体幹トレーニングが日課で、この日も部員が全員帰っても、最後までメニューをこなしていました。そんな彼女の姿を見て「努力を努力と思わずに練習しているんだろうな」と感心しましたし、「必ず強くなる」と思いました。
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