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犬伏湧也、プロ野球の夢断念→大学中退→養成所2回不合格→オールスター競輪でGⅠ初優勝「もう1個勝って師匠を逆破門」と笑顔止まらず

  • PR ハル飯田●取材・文 text by Haru Iida

20年ぶりとなる四国勢によるGⅠ制覇を成し遂げた犬伏湧也 photo by Manabu Takahashi20年ぶりとなる四国勢によるGⅠ制覇を成し遂げた犬伏湧也 photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る

地元・四国勢が躍動

 誰もが認める確かな実力を持ちながら、タイトルに手が届かない。そんな雌伏の時は、地元地区のファンの前で、そして自身の運命を変えてくれた師匠の前で終わりを告げた。

 愛媛県の松山競輪場で8月11日から16日にかけて開催されたGⅠ「第69回オールスター競輪」で、犬伏湧也(徳島・119期)が優勝。待望のGⅠ王者となった。

 舞台となった松山競輪場の走路は、1年間にも及ぶ大がかりな改修工事を経て今年2月に再開されたばかり。「瀬戸風バンク」の愛称どおり心地よい風が会場を吹き抜けたものの、選手は気まぐれな風向きと真夏の暑さと戦いながら、連日の激戦で徐々に体力を消耗していく。

 この過酷なコンディションだからこそ、鍵を握ったのがオールスター競輪ならではの勝ち上がり方式だ。ファン投票上位18選手は一次予選に出走しない代わりに、ドリームレース(9名)、オリオン賞レース(9名)の特別選抜予選を走り、そこで上位に入れば、準々決勝を走らずシャイニングスター賞に出場できるなど、文字どおりファンの後押しが選手を助ける仕組みとなっていた。

 ファン投票14位の犬伏は、初日のオリオン賞レースで1着となり、4日目のシャイニングスター賞へ進出。その時点で準決勝進出が確定していた。そのため残り2日間の準決勝・決勝に向けてこれ以上ない追い風となっていた。


初日のオリオン賞レースでも1着となった犬伏は万全の状態で決勝に臨んだ photo by Manabu Takahashi初日のオリオン賞レースでも1着となった犬伏は万全の状態で決勝に臨んだ photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る

四国4選手が連携

 迎えた準決勝では犬伏が「後ろを信じて風を切るだけだった」と果敢な先行で地元勢の松本貴治(愛媛・111期)とともに決勝進出を決めると、この激走が四国勢の闘志を呼び覚ます。「犬伏さんと松本さんの走りを見てスイッチが入った」という石原颯(香川・117期)が1着で決勝進出を決めれば、続くレースでも佐々木豪(愛媛・109期)が地元の大声援を受け切符をもぎ取った。

 これで決勝の9選手中、実に4選手が四国勢。石原の後ろを走り決勝進出を決めた清水裕友(山口・105期)が「バケモン(化け物)ぞろいです」と表現するほどパワーと気持ちをみなぎらせた4選手による連携で、"悲願の地元地区からのチャンピオン輩出"の条件は整った。

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