犬伏湧也、プロ野球の夢断念→大学中退→養成所2回不合格→オールスター競輪でGⅠ初優勝「もう1個勝って師匠を逆破門」と笑顔止まらず (3ページ目)
デビュー後、犬伏は本格的に小倉の弟子として研鑽を積んでいく。そのポテンシャルで好成績を積み重ね、ここ3年でGⅠ決勝に7度進出。しかし、いざ大舞台となると栄光にはあと一歩と届かなかった。一定の手ごたえはつかみつつも「(GⅠ決勝で)1着のイメージが持てない」と、もどかしい思いを抱き続けてきた。
小倉も愛弟子がふがいないレースを見せると、厳しい言葉をかけることもあった。だが、それは誰よりもポテンシャルを評価しているからだった。
「(犬伏は)異次元のスピードを持っている。体も大きくなって、どうやったらあんなに出せるのかと思うくらい周囲とはパワーのレベルが違う。今回は(タイトルを)獲ると思っていたけどね」
表彰式の様子とレースのダイジェストをモニターで見ながら、「パワーで技術をねじ伏せたな」とまだ課題が残ることも口にしたが、饒舌に語る師匠の姿は、犬伏が栄冠を勝ち取る瞬間を誰よりも待ち望んでいたことをひしひしと感じさせた。
師匠の小倉(左)と握手する犬伏(右) photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る
「正真正銘のSSになれた」
会見場に現れた犬伏は「本当に夢のようで、まだ実感がないです」と興奮冷めやらぬ様子だった。これで年末のKEIRINグランプリ2026への出場、そして来年のS級S班所属も決めた。2025年にも欠員による追加選出でS級S班を経験しているが、「やっと正真正銘のSSになれた」と充実感を漂わせた。
小倉が「『今回優勝したら逆破門していい』と約束をしたから、ひとりでやりたくて頑張ったんじゃないか」と笑えば、伝え聞いた犬伏も「僕に選択権があるみたいなので、もう1個勝って(小倉が持つGⅠ勝利数に並んだら)逆破門にしようと思います」と応じて笑いをさらった。
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