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柿谷曜一朗と谷本歩実がアスリートへの誹謗中傷にストップ「選手はひとりで抱え込まず、もっと誰かに頼っていい」

  • text by Sportiva

柿谷曜一朗氏(左)と谷本歩実氏(右)が発表会に登壇柿谷曜一朗氏(左)と谷本歩実氏(右)が発表会に登壇

選手を3つの柱でサポート

 日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)が、9月18日に、アジア・アジアパラ競技大会での誹謗中傷からアスリート等を守る法務等支援事業の取り組みについて発表会を行なった。

 そのなかで、元柔道日本代表でJOC・JPCインテグリティ統括事業推進リーダーの谷本歩実氏(JOC理事)が、SNS上の誹謗中傷がアスリートの心身に重大な影響を与えている現状に言及。選手やスタッフが安心して競技に集中できる環境を整えるために、「SNSモニタリング・削除申請」「法務支援」「セーフガーディングオフィサー、ウェルフェアオフィサーとの連携」という3つの柱でサポートすることを発表した。

 すでに取り組みは始まっており、主要プラットフォームを対象にAIによる検知、専門スタッフの目視、弁護士の精査を組み合わせ、悪質な投稿に対しては通報・削除申請を実施。9月17日12時時点で、AI検知数1万7,872件のうち、41件の削除申請を行なった。

また、大会期間中は弁護士が現地とオンラインで常時待機するほか、選手が被害に遭った際にすぐ相談できるよう、新たに「LINE相談窓口」を開設。

 さらに主要プラットフォームや交通事業者などと連携し、広報・啓発活動として「#言葉に6秒深呼吸」を本格始動させることも発表した。

SNS上などでのアスリートへの誹謗中傷への対策を担う「SNSモニタリング室」を設置SNS上などでのアスリートへの誹謗中傷への対策を担う「SNSモニタリング室」を設置

選手の約3人に1人が回避行動

 今回の発表会で実施されたパネルディスカッションには、谷本氏とともに元サッカー日本代表の柿谷曜一朗氏も登壇。JOC・JPC所属のアスリート300人を対象とした「SNS利用に関する意識調査」の結果をもとに意見交換を行なった。

 その調査では、81.3%のアスリートがSNSから「応援や励ましをもらっている」と答えた一方で、約3人に1人が「SNSでの投稿を控えた」「当たり障りのない内容に変えた」など、誹謗中傷を避ける行動をとっていると回答した。

 これを受けて柿谷氏は「励ましのコメントについては『こう言われたから頑張れた』と言いやすいが、否定的な言葉は『そんなことでモチベーションが下がるならプロをやめろ』とさらに追撃が来るのが怖くて、つい気にしていないフリをしてしまう」と自身の経験を踏まえて発言。

 谷本氏も「SNSに応援が届いているのはわかっていても、100件中たった1件でも否定的なコメントがあったら今まで準備してきたものが全部崩れてしまい、見なくなってしまう」と語った。

パネルディスカッションでは現役時代の経験を踏まえ、対策の重要性を訴えた柿谷氏と谷本氏パネルディスカッションでは現役時代の経験を踏まえ、対策の重要性を訴えた柿谷氏と谷本氏 最後に柿谷氏は誹謗中傷を受けているアスリートに向けてメッセージを送った。

「自分が誹謗中傷されていると認めることがまず第一歩。(自分は)現役時代、人が怖くなる瞬間もあったし、『俺は強い』と無駄なプライドを持っていたが、ひとりで抱え込まずもっと誰かに頼っていいと思う。乗り越えなくていいし、甘えていい。助けてくれる人は必ずいる」

 そして谷本氏は「誹謗中傷と戦うのではなく、誹謗中傷のない世界を目指してお互いに理解を深めながらSNS空間を作っていく必要がある。単に言葉を減らすだけでなく、6秒の深呼吸を経て、温かい応援の輪を社会全体に広げていきたい」と締めくくった。

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