錦織圭、全仏オープンで完全復活なるか。「まずは1勝」で道を拓く (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 とくに2年前の全仏優勝者のシモナ・ハレプ(ルーマニア)は、ツアー再開後に参戦したプラハ・オープンを制し、実戦の感覚もいち早く取り戻している。昨年優勝者のアシュリー・バーティ(オーストラリア)が調整不足を理由に欠場するなか、第1シードに座すクレー巧者が優勝候補筆頭なのは揺るがない。

 そのハレプと同様にクレーに照準を合わせてきたのが、世界5位のエリナ・スビトリナ(ウクライナ)だ。まだグランドスラム決勝の舞台を踏んだことはないが、全仏は彼女にとってジュニア時代にタイトルを手にした思い出の地。大会1週目で赤土に適応しつつ実戦の空気に身体を馴染ませれば、一気に頂点を掴んでも不思議ではない。

 日本勢の注目は、全米オープンにも出場した土居美咲と日比野菜緒。大坂なおみは、ハムストリングの痛みもあり欠場となった。土居はアメリカからそのままヨーロッパ入りし、イスタンブールテニス選手権、イタリア国際で力試し。日比野菜緒はいったん帰国したのちに渡欧し、イタリア国際でクレーへの対応を試みた。ニューヨークではいずれも手にできなかった白星を、それぞれの調整法で掴みにいく。

 先の全米オープンは無観客だった。だが、全仏は数を規制しているとはいえ、観客も入れたなかで行なわれる。

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