空前のスポーツボランティアブーム。企業も休暇制度導入など積極サポート (2ページ目)

  • スポルティーバ●取材・文 text by Sportiva

【伊藤忠商事株式会社】
野球教室を通して参加者、地域、社員が一体となった
 ボランティアに積極的な企業の一つが、伊藤忠商事だ。同社は社会貢献活動基本方針の3つの柱、「次世代育成」「環境保全」「地域貢献」のもと、さまざまな活動を行っているが、その代表的な活動が2007年度より開催している『伊藤忠野球教室』だ。
伊藤忠グループ社員約70名がボランティアとして参加した野球教室伊藤忠グループ社員約70名がボランティアとして参加した野球教室 明治神宮野球場に首都圏の障がいのある小中高生を招待し、東京ヤクルトスワローズの元選手たちの指導のもと、野球に親しんでもらう企画で、伊藤忠商事を含む伊藤忠グループ社員約70名がボランティアとして参加。子どもたち約60名にそれぞれ一人ずつ社員がついてサポートしている。サステナビリティ推進室の田部義仁室長はその意義を語る。

「伊藤忠の社会貢献活動において、障がい者の支援は重要な活動の一つです。伊藤忠として何ができるのかを考え、野球教室を開始しました。その後、地元の明治神宮外苑や東京ヤクルトスワローズのご協力も得て、伊藤忠だけでなく地域をあげての野球教室に発展しました。現在では、子どもたち、ご家族、地域のみなさま、また伊藤忠商事及び伊藤忠グループの社員が一体になって取り組むことができており、『地域貢献』『次世代育成』に繋がる活動になっています」

 さらに東日本大震災支援活動の一環として、岩手県陸前高田市で、地元の少年野球チームを集めた『伊藤忠子どもの夢カップ』も開催。今まで11回を数えるこの大会には、社員ボランティアが参加し、地域の子どもたちと野球を通じて交流してきた。ほかにも福島県の少年野球チームを明治神宮野球場に招待して、東京都のチームと交流試合を行う活動も実施してきた。

「私たちは、いろいろな社会貢献活動において、社員自らが参加することを大切に思っています。それにより、より多くの社員に社会貢献の意義やそれを通じた楽しみを感じてもらいたいと思っています」

 伊藤忠商事はこうした社会貢献活動を一過性のものとせず、継続して行うことで、社内にボランティア意識を啓蒙し、社会貢献活動基本方針に基づいた数々の活動を実施している。

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