電動車椅子サッカーを描く映画『蹴る』がロードショー公開中
ほとんどの人が聞き慣れないであろう「電動車椅子サッカー」という競技。ブラインドサッカーとは違ってパラリンピックの正式種目ではないため、まだまだ認知度は低い。その"マイナーな存在"の電動車椅子サッカーをストレートに描いたドキュメンタリー映画が製作され、現在公開されている。
『蹴る』と題された作品は、筋ジストロフィーなど重度の障がいで自力歩行が困難な選手たちが、手、足、口でジョイスティックを操作し、競技に打ち込む姿を克明に追う。中村和彦監督は、じつに6年間にわたって密着取材を続け、競技のみならず、選手たちの日常生活、恋愛や苦悩などさまざまな感情の表出までもカメラにとらえてきた。
映画の制作にあたっては、クラウドファンディングによるサポートが広がったほか、Jリーグ副理事長の原博実氏、元日本代表の北澤豪氏などもパブリシティに協力するなど、多くの支援が集まった。電動車椅子が動き回る迫力はもちろんのこと、肉体的に厳しい状況のなか身を削ってでも競技に打ち込む選手たちの姿は、見る者の心のなかで何らかのスイッチを入れてくれるはずだ。