Shigekixがパリ五輪後に感じた変化と使命感 先人たちからの賛否にも確固たる信念で次世代への継承を目指す (3ページ目)
「ブレイキンのカルチャーを作り上げてきた方たちからはいろんな意見もあって、それが存在するのは当たり前だと思っていました。その意見をはねのけたり、歯向かったりするわけではなくて、その人たちにどうやってオリンピックで応援してもらえるのか、『やってよかったね』と言ってもらえるのか、そこもすごく大きなテーマでした。ブレイキンがオリンピック仕様に変わって、『もうこれはブレイキンじゃないじゃん』とならないようにしたかった。
ブレイキンをけん引してこられた方たちは、ブレイキンをしっかりと受け継いでいくことを重要視しているので、それを僕たちも体現したいという思いがありました。だから僕のなかでは、パリオリンピックでブレイキンが採用されたのは、絶対的にいいことだという確固たる感覚がありました」
国際大会で数々の優勝を手にしてきたShigekixは金メダル候補と言われて大会に臨み、堂々としたパフォーマンスを披露。結果的に4位となり、メダルにはあと一歩届かなかったが、オリンピックという新たな舞台で世界中にShigekixという名前とともに、ブレイキンがどんなものなのかをアピールすることができた。「ブレイキンを受け継ぐ」という意味において、Shigekixも大きな手応えを感じていた。それが顕著に表れたのが、パリオリンピック後のファンの広がりと反応だ。
「全然反応が違います。これまではブレイキンをやっていたり、好きで見ている方たちがほとんどだったんですが、ブレイキンやダンスのことをあまり知らなかったり、ダンスをやったことがない人も、オリンピックで戦っている姿を見て、応援したり、もっとよく知りたいと思っている人がすごく多くなりました。実際に会場に足を運んでくださる方がすごく多くなりましたし、もっと頑張ろうと思えるくらいの熱い声援を送ってくれています」
パリ五輪では4位に。現在は超多忙な毎日を送る photo by JMPAこの記事に関連する写真を見る
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