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元ロッテのエース・ジョニー黒木の娘・芽依が新たなステージへ 父との思い出の地で見つけた自分の道 (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

 芽依は中学受験を終え、東海大浦安中に入学すると、バレエに打ち込める時間も増え、レッスンにより熱が入った。内部進学をした東海大浦安高では、学業とバレエに加え、野球応援のチアリーダーも経験した。

「チアリーダーは部活動ではなく、野球応援のためだけに集まって練習をする感じでした。夏の大会前は週1、2日ほど練習して、そのままバレエのレッスンを受けていました」

 高1の夏。野球部は千葉大会準決勝まで勝ち上がり、5回戦から3試合、マリンスタジアムで戦った。かつての父のホームグラウンドで、懸命に踊り、声を枯らしながら応援した。

「高校野球って、小さい頃にテレビの前で見ていたお兄さんたちの試合のイメージが強かったのですが、いざ高校生になって、自分がこの場所にいるという高揚感はすごくありました」

 3歳からバレエを続けてきて、将来的にはプロのバレリーナになりたいという夢を思い描いていたが、153センチの身長が「一番のデメリットでした」と話すように、一般的に多くのバレエ団は高身長が好まれる場合が多く、オーディションに参加することさえできなかった。

「教室の先生からも『あきらめたほうがいい』と言われて、ジャズダンスや、コンテンポラリーダンス(振り付けや表現方法に決まりがないダンス)を勧められました。私は技術的には上手な人より劣っていると思いますが、表現力や見せ方では長けているという点で、先生にプッシュしていただいて、バレエ以外のダンスの視野がそこで広がってきました」

 この時はまだ、父と同じマリンスタジアムのフィールドに立ち、踊ることになるとは夢にも思っていなかった。

つづく


黒木芽依(くろき・めい)/1999年1月19日、千葉県出身。3歳からクラシックバレエを始め、ジャズダンスや舞台など、さまざまなジャンルのダンスに挑戦。高校時代は野球部の夏の大会のチアリーダーも経験した。2021年の「M☆Splash!!」オーディションを受験し、募集200名の中から合格者の9名に残った。22年3月のオープン戦でデビューし、24年12月に卒業。M☆Splash!!在籍時は、パフォーマーとしてだけではなく、イベントMCやダンスのインストラクターとしても活躍。今後はダンスや野球の普及活動を中心にさまざまなことに挑戦していく。父はロッテに13年間所属し、最多勝1回、最高勝率1回を受賞した黒木知宏氏

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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