SASUKEワールドカップの「編集中に何度も涙ぐみました」 総合演出家が語った胸を打たれた人間ドラマ (2ページ目)
――逆に今回は自国開催ということで、日本の規格になると。
乾 そう。なので日本選手にとって大きなアドバンテージになるはず。まぁ日本規格でやることは事前に各国へお知らせしているので、それぞれ準備はしてきたと思います。日本のSASUKEに何度か出場している、アメリカ代表のジェシー・グラフは、日本仕様の練習をしてきたと言っていました。
――各チームとも優勝を目指し、本気で挑んでくると。
乾 そうだと思います。なにしろ世界各国のNINJA WARRIORは、SASUKEのセットのことを「Mt.MIDORIYAMA」と呼び、番組は「ようこそ! マウント・ミドリヤマへ!」という掛け声とともに始まります。言ってみれば、日本の緑山スタジオはプレーヤーたちにとっての「聖地」。「とうとう本場に来たんだ!」と気合十分でした。
【うれしさのあまり感涙】
――みんな、日本のSASUKEに出たいんですね。
乾 今回、ワールドカップの日本開催を公式に発表した直後、世界中からメッセージが届きました。「俺を呼んでくれ」「俺はすごいぞ」って。それがあまりに多くて、「各国の放送局に任せているんだ」って返信するのが大変でした。
――ワールドカップの収録現場で選手たちの様子はどうでした?
乾 編集する際、選手たちへのインタビューやベンチ内の会話などをしっかり聞いたんですけど、いかにここでやるのが夢だったかをみなさん語っていました。なかには、うれしさのあまり、泣き出す選手もいました。海外の方々のSASUKEへの熱量は自分の想像を遥かに超えるほど。びっくりしましたよ。
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――乾さんが感じる日本のSASUKEにあって海外にないものは?
乾 細かい技術とエリアのバリエーションですね。海外のファーストステージは日本のサード(腕力を生かしたもの)のようなエリアばかりで、日本のようなバリエーションはほとんどないんです。それだけに外国勢の選手は脚力が弱く、日本のファースト(脚力を生かしたようなもの)はきつく感じるみたいです。
――なるほど。まさしく今回、外国勢がファーストをどう戦うか見物ですね。逆に海外にあって日本にないものは?
乾 楽しむ姿勢です。NINJA WARRIORを見ても思いますけど、海外勢は脱落しても笑顔だし、会場も盛り上がるんです。一方で日本はやたらシリアスですよね。以前、海外の選手がSASUKEに参戦したとき「せっかくなんだからもっと楽しめよ」と日本人選手に言ったのを聞いたことがあります。日置くんや大嶋あやのさんなどは刺さっていましたね。
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