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「起業するために一番重要なことは?」成功を夢見る高校野球部生がシミュレーション (4ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

 逆に、『起業したいんだけど......』などと言った後に『やっぱりコストがかかるしな......』などと言っているような人は、起業にはまったく向いていないと思ったほうがいいのかもしれない。

 あと、これはちょっと別の視点からの話で、先日、以前にも紹介した(「マネー&スポーツ講座(22)~起業のために必要なことは?」:『日本一になった元京大アメフト部・水野監督の言葉「吉田山に登れ」は、「起業」の後押しにもなる』)ことがある京都大学アメリカンフットボール部の元監督の水野彌一さんの講演を聞きに行ったんだけど、その時、彼が言っていた言葉で印象に残っているのが、『ベクトルのないやる気や情熱で心をパンパンにしろ』だった。そして、『勝つまでやる』。

 これも起業に一脈、通じる部分があると思うんだ。ベクトルのないやる気や情熱で心をパンパンにして、とにかく自分が勝つまでやる。

 運動会の徒競走で、皆が一緒に手をつないでゴールするなんてことを平気でやっている今の時代に、『勝つまでやる』という考え方は、世間一般には通用しないのかもしれないんだけど、最後の最後に勝つまでやり続ける情熱を持たなければ、起業も成功しないのは事実。それだけの情熱を自分が持っているのかどうか。起業するためには、まずそこを自問自答してみることだね」

奥野一成(おくの・かずしげ)
農林中金バリューインベストメンツ株式会社(NVIC) 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)。京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。2014年から現職。バフェットの投資哲学に通ずる「長期厳選投資」を実践する日本では稀有なパイオニア。その投資哲学で高い運用実績を上げ続け、機関投資家向けファンドの運用総額は3000億円超を誇る。更に多くの日本人を豊かにするために、機関投資家向けの巨大ファンドを「おおぶね」として個人にも開放している。著書に『教養としての投資』『先生、お金持ちになるにはどうしたらいいですか?』『投資家の思考法』など。『マンガでわかるお金を増やす思考法』が発売中。

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