フジテレビ・堤礼実アナ「99.9%の不安と 0.1%の希望」から始まった報道番組のメインキャスター 話題の「顔アップ」についても聞いた (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

――三田アナからはどんなアドバイスをもらったのですか。

「三田さんは何もわからなかった私を食事に連れていってくださって、ご自身の経験からいろんな話をしてくださいました。それは決して『あなたもこうやってね』ということではなく、『自分はこう対処してきたけど、他のやり方もあると思うし、自分に合ったやり方を見つけていくといいよ』という感じで選択肢を広げてくださったので、とてもありがたかったです。

 自分でも、『三田さんのやってきたことを引き継がなきゃいけない!』という気持ちが少なからずあったのですが、もちろん番組としてのベースはありながらも『私は私らしくやっていけばいいんだ!』という感覚になれたというか、いい意味でそんなにプレッシャーを感じずにできました。

 また、プロデューサーからも『堤が三田や椿原(慶子アナ)になる必要はまったくない。堤は堤の"α"を作っていってほしい』と言ってもらったのが、すごく大きかったです」

photo by Sueishi Naoyoshiphoto by Sueishi Naoyoshiこの記事に関連する写真を見る――周囲の助けがあって落ちつくことができたわけですね。

「周りのスタッフのみなさんも、次のカメラ位置まで丁寧に教えてくださって、温かいチームだなと感じました。制作スタッフの数がかなり多い情報番組に比べると、『Live News α』はわりと少ないスタッフのチームでやっているので、その分、一人ひとりと接する時間が長く取れて、お互いがちゃんと向き合える。それがこの番組の"チーム力"につながっているとも思いますし、私の心の支えにもなっています」

――番組が始まって、周囲からの反響はいかがですか。

「どうなんでしょうね(苦笑)。自分がどう評価されているのか、もちろん気にはなっていましたけど、『やっぱり堤じゃこなせない』とか言われるのを見たり、聞いたりしてしまったら、心がポキっと折れてしまいそうだったので......。特に最初の1、2カ月は気にしないようにしていました。

 ただ、友人などが直接連絡をくれて、『番組見たよ。朝とは違った感じでいいね』と言ってくれるのは、ありがたく受け止めていました」

――ニュースを伝えるに当たって勉強することも増えたのではないですか。

「今までもワードとしては知っていても、きちんと向き合うことがなかった物事に対して、事前に調べてまとめたり、専門家の方のお話をうかがったりする機会は増えましたね。大変は大変ですけど、新しい知識を身につけることができるという点においては、楽しみながらこの仕事と向き合えているなと思います。明るいニュースばかりではないので、『楽しい』と表現していいのかどうか、難しいところではありますけど」

――やりがいを感じながら、充実してやれている、と。

「もちろん、満足しているわけではないですが、今自分が置かれている環境のなかで、できることは最低限やっているつもりなので、充実感はありますね」

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