「デイトレーダーってカッコいい?」高校の野球部員がイメージする投資家の姿 (2ページ目)
【日本語と英語で違う「投資」のイメージ】
奥野「『あの人は株式に投資して儲けている』と言うと、まさにデイトレーダーみたいた人をイメージしがちだけど、それって日本に特有の傾向なんだ。
投資することを英語では『invest』と言うんだけど、これには語源があって、『in(中)』+『vest(衣類)』というのが、それ。最近、あまり聞かないけど、『チョッキ』のイメージかな。
面白いもので、日本語の『投資』と、英語の『invest』とでは、だいぶイメージが違うような気がしないかい?
『投資』って言うと、何となく『お金』を『投げる』という漢字の組み合わせになるから、懐に入っているお金を放り投げるというイメージを抱きがちなんだけど、『invest』だと身に着けるという、また別のイメージが浮かんでくる。何となく、これが投資に対する時間軸の違いにも表れているような気がするんだ。
たとえば株式への投資だと、手元にあるお金を会社という器に放り込むんだけど、自分の大事なお金を放り込んだままだと、それを失うのが怖いから、さっさと自分の手元に戻そうという意識が働く。
ところがinvestは、自分のお金を放り投げるというよりも、いったん、自分の手元からお金を出すのだけれども、それを何か別のものに形を変えたうえで身に着けるだけだから、特に不安になる必要もなく、そのまま持ち続けられる。日本人の多くが、投資という言葉に対して短期のトレードをイメージしてしまいがちなのは、言葉自体に原因があるのかもしれないね。
で、鈴木君と由紀さんの質問に答えると、僕は短期のデイトレーダーではないから、机の上にモニターをたくさん並べることもしないし、時々刻々と変わる株価をずっと見ている必要もないんだよ。株価のチェックなんて、1カ月に1度くらいだったかなー」
鈴木「でも、短期間のうちにたくさんお金を儲けるならデイトレーダーのほうがいいんじゃないですか?」
由紀「そもそもデイトレードと長期投資って、どこが違うんですか?」
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